Release 2017.5.31 / Update 2019.1.21

快適 アルカスイス互換

映像用三脚のクイックシュー(リリース)は規格がバラバラです。同じメーカー内であれば、ある程度統一されていますが、競合同士で互換を持っていることは、ほぼありません。特に耐荷重が5kg以下程度のタイプは、思わせぶりなサイズ違いが多くて、歯がゆい思いをさせられます。

そんな環境の中、最近「全部アルカスイス互換のクイックシューにしときゃいいんじゃないか」と思いつつあります。そんな映像用アタッチメントに関するお話です。

ビデオカメラ用クイックシュー

ビデオカメラ用の三脚はクイックシュー(リリース)部分の形状がメーカーで違います。一見同じようなサイズでハマりそうでも、細かい形状が異なるので流用は出来ません。

左から Sony VCT-1170RM、Manfrotto MVK500AM、Libec ALLEX S KIT、sachtler FSB4 & DAIWA DST-73LHB

「三脚とカメラのみ」みたいな、最低限の機材で撮影をこなすのであれば問題ないんですが、最近はリグやスライダー、カメラスタビライザーなど、安価に機材を揃えられるようになり、また、カメラの小型化で、小規模装備でも数台携帯出来たりします。そうなると、単純に“着脱”するだけでなく、“付け替える”必要が出てきます。

FSB4とMVK500Aのプレートは何故かハマるようです。ちなみにこの2台は会社の三脚

そんな状況では、個別規格のシュープレートをつけたり外すのは苦痛で、もはや「クイック」とは言えません。

シュープレート、左から Sony VCT-1170RM、Manfrotto MVK500AM、Libec ALLEX S KIT、sachtler FSB4

また、シューだけ複数用意しようとしても、結局、ビデオカメラ用のシューは三脚のヘッドとセットになっているので、「アダプタ部分をスタビライザーにも」みたい事は出来ません。

もっとガッツリした業務用なら「アダプタプレート」なんてのがあったりしますが、そこまでの規模の話でもないし。

SLIKのクイックシュー

そこで、最初、統一できるクイックシューを揃えようとしました。それがSLIKのマグネクイックシュー DQ-55です。

「シューonシュー」的な感じで使います。見た目は微妙ですが、機動性はかなりよくなります。

このSLIKを選んだ利点は、プレートの着脱が大きなナットになっていて、手回しで固定出来る手軽さです。

また、精度がしっかりしていて、剛性も高いです。3年ほどの運用の中で、もう1セット手に入れて、2セットで利用していました。

しかし、個人機材が増えるにつれ、2つで運用するのが難しくなってきました。買い足すことも考えましたが、正直値段がそこそこするので、快適に“付け替え”出来るようにするには結構投資しないといけません。

そこで、もう少し安価なもので、数を確保できるようなタイプを探すようになり、そこで「アルカスイス互換」のシューを知ることになります。

アルカスイス互換シュー

フィルムカメラに関しては良く知らなかったんですが、「アルカスイス」は大判カメラで有名な老舗メーカーだそうで。この御時世に自社サイトも持たない硬派な企業です。

イチから始めるアルカスイス 〜アルカスイスとは〜

アルカスイス純正は高級品の部類で手軽には手が出せない値段ですが、互換を謳った模造品などがたくさん出回っています。そして、種類も多彩で、かなり安く手に入ります。小さい互換プレートなら500円もしません。

アルカスイスのクイックシューはスライド型です。スライドするクイックシュー(リリース)はプレートとアダプタがハの字型で噛み合うような形状になっていて、アダプタの幅を締め付けることで固定するようになっています。この形をアルカスイス社に合わせているので「アルカスイス互換」。

仕組みは単純だけど確実な方法のため、互換製品などの多少精度が甘いヤツでもちゃんと固定できます(少なくとも、今まで自分が揃えた互換品は全て)。

アルカスイス互換の利点

何といってもその値段です。SLIKのクイックシュー1個分で、3~5個くらいのシューが手に入ります。また、カメラの“付け替え”が簡単になるのは勿論、自由雲台やフレキシブルアームなどに色んなものが装着出来るようになります。

規格を合わせると付け替えも楽

シューを選ぶときの注意点

上記の通り、クランプはある程度サイズが違っても噛むと思いますが、中にはその精度に達していない製品もあるみたいで、レビューを注意深くチェックしとく必要があります。

また、一般的なカメラへの取り付けネジは1/4インチですが、稀に3/8インチになっている商品があったりするので、仕様はよく調べないといけません。3/8インチはハイエンド寄りのカメラに多いサイズです(そのレベルの機材をこの互換品で運用するのはちょっと…という気がします)。

シューアダプタをスタビライザーの台座みたいに平面面積が大きいところへ着けたいときは、つまみの形状に気をつける必要があります。多くの安価なシューアダプタはつまみが大きく、台座とぶつかって回せなくなります。

こちらの形状をしたアダプタは平面に当たることなく使用できます。

実はこの製品、他メーカーの模造品ぽいのですが、このタイプが安価に手に入るようになってアルカスイス互換への移行を決めました。

Leave a Reply

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.