Release 2018.12.7

RAVPowerのソーラーチャージャー

災害時に役立った、ソーラーチャージャーについて書いておこうと思います。

太陽光発電機

2018年9月に北海道で起きた全域停電の直後、「非常時に備えられるものを持っておきたい」という事で、太陽光発電器具を購入しました。正直、購入前は「無いよりマシだろう」程度に考えていましたが、いきなり実際使わないといけない状況に陥ることになり、その有用性を身に染みて実感しました。

Amazonで「ソーラーチャージャー」を検索すると、結構ヒットします。サイズ、出力数、発電量、ポートの数などの違いで多種多様なタイプが取り扱われています。

浜松市での停電

10月初めに、浜松で台風に起因する大規模停電がありました。流通・売買等、日常のいたるところで電子機器が使われている今日では、停電しただけで「モノが買えない」状況に陥ってしまいます。ガソリンスタンドも「給油ポンプが動かない・清算できない」などの理由(多分)で、閉まっている店舗が多かったです。つまり、2日間はほぼ給油出来ない環境でした。

にも拘わらず、親はスマホを充電するがために、車のエンジンかけっぱなしにしてたので、慌ててモバイルバッテリーを貸しました。“移動手段”と“野暮用連絡”を天秤にかけるなら、足になる「燃料」の方が重要なハズなんですけど、やむを得ず同じ事をしてた人も多かったのではないかと思います。

ソーラパネルは、ちょうどその2~3日前に入手していたので、“試用”どころか、いきなり活用せざるを得ない状況になってしまったんですが、結果として「ものすごく役立つ」ものでした。

太陽光発電のメリットは、太陽さえ出ていれば電気を得られるところです。勿論、身の回り全ての電力を賄える物ではないし、発電量が環境に依存するという枷はありますが、非常時に起きる“電池切れの不安”を大分解消してくれるアイテムであることは間違いないです。

ただ、この製品は“電気を作る”だけだし、“日なた”に置いておく必要があります。そうなると、デバイスを直接充電するのではなく、複数モバイルバッテリーとのコンビネーションで運用するほうが何かと便利かと思います。モバイルバッテリーを2本備えておいて、片方は太陽光での充電へ、片方はデバイスの充電へ、といった感じです。

また、後述しているUSBの電力を確認できるツールを併用すると、効率よく太陽光発電が出来るかと思います。

RAVPower RP-PC008

過去の使用経験から来る信頼度で、自分はRAVPowerの製品を選びました。自分はまだ遭遇してませんが、RAVPowerの製品は初期不良に対するケアも結構しっかりしているようなので、そこら辺でも安心してます。

ちなみに今回調べて知ったんですが、RAVPowerサイトには“製品登録”があるようです。結構このメーカー製品を持ってるんですが、全然登録してなかった…。

RAVPower製品登録

こちらの製品にした理由は、程よい「サイズ」と、(スペック上では)身の回りのデバイスには十分な「発電量」という点からです。

スペック

大きさ 折り畳み時:約24×16cm
使用時  :約24×65cm
重さ 450g(自分で計ったら463gでした)
太陽光パネル 3面
出力ポート USB Type-A × 2
電力 各ポート5V/2.4Aまで、合計3.2A
最大電力 16W
転換効率 21.5% – 23.5%
付属品

30cm Micro USB変換ケーブル
60cm Micro USB変換ケーブル
カラビナ(フック)× 4個
説明書

備考

iSmart(保護回路)内臓
蓄電機能なし
布地は防塵性・防水性アリ
18か月+12か月(製品登録後)

“効率”はソーラーパネルのサイズに対して、受けた光をどれ位電気に置き換えられるかという指標のようですが、25%程度が現行技術の数値っぽいので、この価格なら機能十分かなと判断しました(自分が入手した時の価格は5999円でした)。

開封

実際に手に持ってみて、まず思ったのは「程よくコンパクト」という点です。iPadminiより少し大きいくらいです。

ガワは防水・防塵ということもあり、ナイロンがしっかりしてて、多少ゾンザイに扱っても大丈夫そうです。ただ、パネル自体は水に濡れるとダメみたいなので、注意が必要です。

カラビナ(フック)等を引っかけられるように、4か所穴があります。紐を通してぶら下げて使う事も出来ます。

給電するUSBコネクタはメスなので、別途USBケーブルを挿して目的のデバイスに充電します(ちなみに、コネクタは生地内に組み込まれているので取り外せず、ポーチに収納する形になります)。

このコネクタは組み込まれているので取り外しは不可です。

2本のUSB micro/Type-A変換ケーブルが付属しているので、同梱品だけで大抵の充電は可能だと思いますが、実際にはちょっと短くて使いづらいです。多分、モバイルバッテリー等をポーチに入れて扱う事を想定した設計かと思うので、ポーチに入りきらないデバイスを扱いたい人は、長めのUSBケーブルを別途用意しといたほうが無難です。

付属のUSB変換ケーブルは短め

そのポーチに関しては多少ゆとりがあるので、収納時、コネクタ以外にUSBケーブルや付属のカラビナなどを入れておけます。ただ、この箇所のマジックテープは全面密閉型ではないので、小さいものだと隙間からポロポロ落ちていきます。特に付属のカラビナや小物を同梱したい場合は、何か小袋に入れて収納することをおススメします。

セットにしておきたければ、何かしら袋へ。ポロポロ落ちます。

発電量の実測とコツ

まず単純に金網へ吊るして、ガラケーを充電。また、充電量を見るために、以前入手したUSBチェッカーを通してみました。

10月初めの晴天、時間帯は朝7時頃で300mA~500mA程度でした(USBは基本5V)。製品として当たり前の動作なんですけど、単に太陽へかざしただけで充電してる様は、最初感動します。

ただ、よく考えてみると、これはBC・PD対応でない“ノーマルのUSB端子”に挿した時と同等の値で、「遅いけど充電はしてる」状態です。スペック上では“最大16W”とあるので、5V×0.5A=2.5Wというのは、かなり物足りない感じです(低かったのはガラケーだったのもあるかも)。

角度が大事

まあでも、季節や時間帯もあるだろうし、充電出来るだけいいかなと思っていたんですが、充電するデバイスを変更し、場所も変えようとパネルを動かした時、数値が急に上がる瞬間があって、もしやと思い、いろいろ試行錯誤してみたら、結果的に1.4Aまでハネ上がりました。

 

壁に沿って垂直に垂らしたり、地べたに寝かせて水平にした場合、発電量はそんなに上がりません。恐らく、太陽光を正面に受けるような置き方をしないと、発電用素子を保護しているフィルム等が弾いてしまって、光が素子まで到達しづらいんじゃないかな、と…いわゆる入射角・反射角ってやつですかね。

 

確かに、よく見かける大型のソーラーパネルって必ず斜めだし、“可動式”って話も聞いたことがあります。斜め入光に気を使っていたら、20%を切っていたNintendoSwitch内蔵バッテリーでも4時間ほどで満充電に出来ました(こういったバッテリー類の話では20%から30%するのと、90%から100%にするのでは、その所要時間に雲泥の差があるので、「~%充電するのに何時間」みたいな表現にはご注意を。あくまで、目安なのをご了承ください)。

ただし、太陽は常に動くわけで、最大限に発電能力を発揮し続けたいのであれば、角度を調整し続けなければならず大変です。そこら辺は諦めました。

角度によって発電量に違いが出ます

それでも、上写真の状態で、2ポートつないでも各0.8A近く出てました(2ポート同時使用すると、電力が分散されるので個々の供給量は落ちるようです)。

とは言え、ちょっとでも日陰になるとガクンと落ちるし、さすがに夕方では止まってしまいました。やはり、何より大事なのは「太陽光の強さ」です。ちょっと手で覆っただけでも発電量は如実に下がります。きっと、日差しの強い夏ならもっと発電するだろうなと思いました。

このように、ちょっとした角度で発電量が変わっても、充電中のデバイスからは「充電してる・してない」しか判別できないので、電力が見える機能がついた製品か、USB電力チェッカーを併用して、効率よく発電出来るようにするといいかと思います。

 

というわけで、とても有益だったから、結局もう1セット注文してしまいました(苦)。まあ、そんな邪魔にならないし、浜松ではずっと大地震が叫ばれているので、きっといつか役立つんじゃないかな、と。

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